二月三日。

連休明けの出勤日。しくじった。体調不完全のまま出勤、うーむ、とか思いながら事務作業してたら

なんか調子良くなさそうだね?と、聞かれて、ちょっと風邪気味で…と、応えてから、あっ、と思う。でも遅かった。

えっ、風邪なの?じゃあここいちゃダメだよ、早くきりあげて病院行くなり寝てるなりしてください。と、早退させられる。強制送還です。勤め仕事が仕事だから、仕方ないかぁと思いながら帰宅。レコードでも聴くかなぁと思えど、だるくて寝る。また夢をみる。落花生とピスタチオ強盗になった夢。トラックの荷台に二種類の豆を満タンにしてトンズラする夢。風邪ひいてるときの夢ってすごいよなぁ。想像力が振り切れてんのかな。

起きて、恵方巻き、柴又土産の草団子。頼まれてるシティポップのコンピの選曲。松原みきって歌い手を知る。すごく良い。

夜の本音、電気毛布、湯たんぽ、そして寝る時のマスク導入。寝ながらのマスクは、口内に雑菌入るのふせぐし、自分の吐息が加湿の役割りもして良いそうだ。マスク好きじゃなかったけど、なんか良い感じ。早い風邪のやつ追っ払おう。明日はホットレモネードを買う。ここに宣言。

二月二日。

連休二日目。

いまの仕事に就いてから連休が多くなった。これまで働いてたところだと忙し過ぎてそれどこぢゃなかったのだけれど、いまの職場は安定してる。思い切って良かったなーとほんと思う。ギターだって触れる時間、というか、弾いててやり応えを以前よりも感じるからね。

ともかく、連休二日目。

前夜から風邪っぽいからフテ寝して、終えようかと思ってたら、親父からメール、来たる。

「団地の下についたよー」と。

なんだ…?と、思って、直ぐに、あっ!と思う。忙しいからとなかなか会えなかったから、日にちを決めてたのだった。急いで着替える。えーい風邪なんてどこ吹く風よ、と。


柴又へ行く。

その昔、家族みんなで帝釈天へ行こうよ、という機会に、自分はバンドだなんだと半ば家を飛び出してしまってて、大切にしなくちゃならない時間を蔑ろにしてしまってて、それがずーっと気掛かりだったのと、

あとは寅さんの存在だった。

寅さん。まだ一緒に暮らしてたころ、よく親父が休日にごろごろしながら観ていた寅さん。幼心に、

この映画の何が面白いんだろう、、ダメなオトナじゃん、、

なんて、思っていたし、それを観て、ケラケラ笑う親父もどーなんだろ…と、思ってた。


それから数年、ある程度自分の考えも持ち始めた頃、早川茉莉さんという作家さんの文章とか編集本が大好きになるのだけれど、その早川さんが、己のエッセイで寅さんについて書いていて。

もう「男はつらいよ」なんて、記憶の彼方にしていた俺のアタマの引出しから、グイッと引っ張り出したのであった。



早川茉莉さんはこんな感じで書いていて。


"「男はつらいよ」は、確か48話続いたのだったっけ。日曜日になると父がテレビでこのシリーズを見ていた。学校の遠足だったか、職場の研修だったか忘れたけど、バスについていたテレビで「男はつらいよ」を放映していたような気がする。



こちらが見る気もないのに、

彼はあのイントロの曲とともに、ずっと身近な存在だった。


ただぶらぶら遊び歩いてるだけで、どこがいいんだろう、とよく知りもしないのに、なんとなくわかったような気がしていた。美人女優をとっかえひっかえしているのも、やっかみ半分、面白くなかった。"



このように寅さんを、なんだか得体の知れない大人と、半ば嫌悪かと感じる文体で書いていたのだけれど、その後に続く文章では、


でも、そんな寅さんに惹かれてしまう。気づいたら私は寅さんが大好きだった



みたいなことが書いてあって。

え?なんで?と、すごく不思議に思って、なんだか気になって仕方なくて、自分が借りるなんて思わなかった寅さんのDVDを借りて観たのだけれど、これが、グイグイ、グイッと、来てしまった。あー良いなぁ…と思っちゃったんである。

なんでだろうなぁ…と思って、考えてみたけれど、寅さん、失恋しまくってるのだ。いい加減で、自分勝手で、その日暮らしで、おせっかい焼きだけれど、好きな人への気持ちがすごくて、その為にフられたり、自分から逃げたりしていて、そんなザマがすごく(勝手にだけれど)共感してしまって、それだけじゃないだろうけれど、あー早川茉莉さんや親父たちが好んでた寅さんの魅力って、コレなのか、、!と、悟って、

それから「男はつらいよ」は大好きな映画になっちゃったのだった。


そんな想い入れもあるから、訪れた柴又は格別で、帝釈天参道歩きながら、こんな場所に住めたらなぁと思ったくらい。町はのんびりゆったりしてるし、野良猫に何匹も遭遇するし、昔ながらの駄菓子屋さんはいまだ健在しているし。




そんな感じでご満悦しながらで帰宅。Tくんが教えてくれた数々のアイドルソングを聴いてたら、Sさんから久しぶりの連絡。ライブのお報せと、前々から話してくれてた石神井公園呑みしようよ〜、の連絡だった。あー嬉しいなぁと思う。仕事が離れても、こうして連絡来れるのは、たかが仕事仲間で終わらない、友達に成れたのかなーとか、思う。

もちろんライブはもちろん行きたいし、次に会える時、やっと決まった自分のライブの話もしよう。そう思う。明日もがんばろ。

二月一日。

連休初日。

特に予定はなし、でもなにかしらしないと!と思えど、どうもテンション高まらず。午前はギターのお手入れとコード練習。ニガテだったバレーコードもだいぶ音鳴るようにこなせて来た。よし。

気分も良くなったし、図書館へ。予約してたCDが届いたよと連絡あったので。ついでに文庫を何冊かと、ビートルズとディランの本も借りる。書籍棚に行くとやってしまうことがあって、自分の他に誰か居ると、なんの本とってるのかなーなんて、横眼でチラッと、こっそり確認しちゃう。いやらしいやつだな俺は、、なんて思うけど、好奇心のほうが勝っちゃうのですね。音楽棚に可愛い女の子が居たりして、それこそ渋い本を眺めてたりしたときを確認した際には、あー話し掛けられたらどんなに素敵なんだろう、と、思うけれど。今日居たのはおじさん。1960年代のフォークロックの本を真剣にチョイスしてた。俺もバーズとか大好きです、と、心の中でつぶやく。女の子でもおじさんでも良いんだなぁ結局。

帰宅して、休日の一杯でもやりますか、なんて思いたくもなんだか気乗りせず。無性に眠い。なんだこれ、文庫もなかなか進まないぞ。弟の部屋で茶猫がごろごろしてたから、横で眺めてたら、いつの間にか寝てしまっていた。こりゃあいかんわと自部屋の布団に包まったらあっという間に夢のなか。


夢をみる。姉と話してる夢。

なんだか夢なのに(あ、これ夢だなーと夢のなかでわかってた)すごく現実感があって、なんだろうなと思う。そしたら、実際に姉がうちに来て、妹と話してた。ふすまの向こう側から聞こえる姉の声がそのまま夢に出て来てたんですね。こういうとき、人の、夢をみるシステムだとかすごい不思議だなーと、つねづね思う。


夕方まで寝れたので、さぁ夜は有意義なことしよう、と思えど、まだ眠い。と、いうより調子があまり良くない。あれ、俺も風邪かな、という感じ。仕方ないので風邪薬呑んで、一時間ほどギター鳴らして、寝る。

一月三十一日。

前口上。

なにかしら習慣化してるとすごく良いですよ、と友だちに教えてもらい、

それを実践してる彼の遂行している内容(量すごい!真似できんよ、わたしゃ、、)の目の当たりにしたら、なんだか凄いな、と思った。

あとは、語ってる友だちの様子を観てたら、なんだか、わくわくしてしまった。おー、この友だちは行動しとるんだな、前進しとるんだな、と察知したのかもしれない。


じゃあ俺もやってみようかな、と。


じゃあ俺はなに出来るんだ?、と。


運動?測定?誰かへの奉仕?

いろいろあるんだろうけれど、自分なんかは文章築きあげんのが娯楽のひとつであるし、(どうせ習慣化するなら)楽しいほうが良いじゃん。なんて思ったし、

彼是いろんなことや、くっだらないことも毎日思ってるわけで、それを日記にする習慣に挑戦してやろう、と思ったわけであります。日常の気持ちの吐き出し口になればなと。わるい意味でなく良い意味での。

中原昌也さんの本や、鈴木慶一さんのブログみたいな感じが理想です、さらっとしてる感じ。


注意点。

日常、と、いうからにはいろんな人と携わるわけなんですけども。なので、この日記にも、ちょこちょこ出てくるであろう、関わってくれた人たち。でも実名だといろいろあれなんで、さわり程度の敬称で登場いたします。もしかするとこれおれなんじゃねえか、と突っ込みいれたくなるかもですが、そこは、こいつの御伽の登場人物になったんだなくらいで思ってもらえたら…少なくとも好印象だから登場させたいと、思っておりますゆえん。だから、勘弁してねときっかけをありがとう、Tくん。

一生続けてくのはヤバいなと思うから、一年間、一年続けてくつもりで、気づいたらあらら…てな感じで続けていけたら良いなと思います。









さて、一月三十一日。

大雪の次の日だから、出勤どうなるんだ…と、前夜から思っていたわけですが、雨で溶けちゃってました。なんだ、自転車で行けるじゃん、と公園走るも地面凍結していて、つるつるっと。眠気一気に覚める。朝の冷たい風よりもインパクト大。

向かうバスの中でiPhone、ランダム再生してたら大滝詠一さんの「恋するふたり」。大滝さんといったら個人的にはデビュー時の四畳半な狭い感じなのが好きで、キラキラしたドラマの主題歌じゃないだろ、って事で、「幸せな結末」とかずーっと聴いてなかったのだけれど、車窓からみえる冬晴れみながら聴いてたら、なんだか凄く響いてしまった。後から来るってやつなんですね、これが。休憩中も、近所の河原でぼーっとしながら聴く。リピートして聴く。ヤバい。去年の今頃も大滝さんばかりだったけど、一年後もか。オタクであることを誇りに思え、と、教えてくれた人だったんだな俺にとっては。帰りのバスでも聴く「恋する〜」。歌が終わる最後パートの♩ダンドゥビ、ダン…♩というコーラスに、あーこういうのが究極のポップスなのかなと想う。個人的意見なんですけどね。

ヘロヘロで帰宅。あっついお湯に浸かりたいと思ってたところに五、六人からLINE来たる。あとでよいやー、と、思いつつも、みんな今後の予定だとか、楽しい内容で、入浴時間押す。iPhone依存か俺は…とか思いつつ。この時も大滝さん。妹にちびまる子ちゃんの歌の人?と、聞かれる。リアル世代じゃないのに、不思議。

連絡の中に、高円寺のちいさなライブハウスと、あと尊敬してるAさん。なんだまたこっち来てるんだ!と嬉しくて、次はいつ来ます?と連絡したら、毎週行くよ、なんて。何処かのタイミングで会えたらよいな。